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「珈琲をおごる」

勧君金屈巵

満酌不須辞

花発多風雨

人生足別離 (于武陵「勧酒」)

仕事は終わったが、帰りは車だ。

ノンアルコールを買う手もあるが、

午前三時 スーパーのレジ係はこぞって

品出しでせわしくしている時間、

ということで ここはひとつ

自販機のコーヒーといこう。

はじまりに立って行く方を望めば、

いつも途方に暮れたが

後から眺めれば寸法がどう狂ってか、

あっという間。

さて 数えあげればきりがないから

一言で言おう、色々あったな。

線路沿いの通りの角にたつ一本桜は

見事な花をつけ、眺める側の目を洗った。

ーー仕事なんかうっちゃってやろうぜ

軽口とため息のあとに鶯が鳴いてオチ。

で、ほどなく連日の雨と風、

気がつきゃ葉桜になっていたっけ。

(苦笑いの上空に間延びした鳶の声)

お互いなんとか生きてりゃあ

また会う日がないともかぎらない。

別れのたびにそう言い合って

会えたためしも少ないが、まずは元気で。

《サヨナラダケガ人生サ》

そんな言葉もあるにはあるが、

ソレヲ言ッチャア、オシマイヨ。